みなさんには『帰る場所』ってありますか?
私にとっての『帰る場所』。
それは、高校卒業までを過ごした、田舎です。
『こんな田舎、なーんにもなくて、つまらんなあ・・』そんな風に思った昔。
田舎を離れ、歳を重ねるにつれて、どんどん、愛おしく感じます。
どんな状態の自分でも、いつでも優しく受け止めてもらえるという、絶対的な安心感。
でも。それと同時に感じてしまう、寂しさ。
田舎はやはり、年々、人が少なくなります。
昔通った駄菓子屋さんが閉まっていたり。
優しくしてくれたおじちゃんおばちゃんが、
今はもういないという、悲しい事実を聞いたり。
若い人はみんな都会に行ってしまう。
田舎では仕方のないことではあるのですが、やはり、
現実を目の前にすると、なんとも言えない気持ちになります。
自分も、田舎を離れた一人。
申し訳ない気持ちも、心の隅には住んでいます。
今は元気な祖父や祖母も、いつかはいなくなる。
田舎も、いつかは・・・考えたくないけど、現実です。
だけど、幼い息子の記憶に残るまでは、元気でいてほしい。
田舎で、走り回って遊ぶ記憶を、残してあげたい。
空の青が、こんなに濃いものだと。
海の青が、こんなに深いものだと。
山に沈む前の夕日が、空をこんな不思議な色に染めることを。
見せてあげたい。
私が高校を卒業して、田舎を出る少し前、祖父がポツリと言った言葉。
『大学卒業したら、すぐ帰ってくるんやで。待っとるからな。』
何年たっても、心に残っています。ごめんねの気持ちが、年々大きくなります。
田舎を出る時には、なぜか毎回、その言葉が頭をよぎる。
大好きな場所。
少し切ない場所。
帰れる残り回数は、決まってるのかもしれない。
それが、一度でも多くありますように。
そんな風に願いながら、毎回、田舎を後にします。
自分を自分に戻してくれる場所。
田舎に限らず、誰にでもありますよね。
ずーっとずっと、大切にしていきたいですね。
posted by yoko