キッチンで ひとりごと vol.3

ワタリガニと里芋のミルクスープ
写真は「ワタリガニと里芋のミルクスープ」(ズッキーニや人参、キノコ、セロリなど野菜もたっぷり入っています)

〜キッチンを出て〜

仕事を終え ほっと一息つく。途端にお腹が減ってくる。キュ〜グルグル…。
実家通いの私、kicaから西神戸の家まで帰路はざっと1時間。
阪急甲陽線から神戸線へ乗り換えて三宮まで直行すればいいのだが
私の胃袋はすでに限界。
キューキューと人に聞こえるほどのお腹の騒ぎように、
閉じかけた電車のドアをすり抜け、今日も途中下車してしまった。

阪急岡本にある「アジア料理店SOUP」は私のお気に入り。
美人で聡明な(本人談。チェックしに行ってみてください)女性、N子さんが
オーナーシェフとして腕をふるっている。

もともとウチの社長が行きつけの店で、
彼女と何度か一緒に行くうちに、今では一人でふら〜っと行って
N子さんと話ながらご飯を食べるのが習慣のようになってしまった。

固執狂の私が この店でハマっているのはマレーシア料理のラクサ
(お店では「ジョホールラクサ 950円」でメニューあり)。

ラクサ

エビと魚のクリーミーなスープの中に
たっぷりの野菜と米粉でつくられた平らな麺が入っている。
トッピングは煮卵、フライドオニオン、パクチーetc.。
食べる前にレモンをギュッと絞り、よく混ぜて食べる。
さまざまな香辛料の香りとココナッツミルクが麺と野菜に絡み、
熱々をほおばると まろやかな辛みのスープが広がる。
野菜のシャキシャキ感が歯に心地よい。
何度かスープと麺を食べ 口の中が少し辛くなったところで煮卵をパクリ。
味がよくしゅんでいて、これがグッド。
時折パクチーが独特の香りを放ち、
アクセントを加えてくれる。これもいける。

ゆっくり味を楽しみたいところだが、
もたもたしていると麺がスープを含んで量が倍増。えらいことになる。
ハフハフ言いながら一気に食す。これがコツ。
寒い日には体が芯からあたたまり、箸が進むにつれ少し汗ばむほどである。
そして、完食。
残ったスープを見つめ、飽食の後の虚しさを感じつつ、
レンゲで飲みほそうとしていると何処からか白いご飯が横に…。
そっと出されたご飯にレンゲでひとすくいスープをかけて食べる。
おいしい!!
一皿で二度おいしいなんて、してやられてしまった。

一人で行っても友人たちと行っても必ず注文する一品である。
このラクサ熱、まだまだ冷めそうにない。

Posted by eico.


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キッチンで ひとりごと vol.2

それは、思いがけなくやってきました。
数年来のラブコールに応えるために…。

フレッド上 サテ ナンデショウ?

うちの社長は 年に何度か買付けに出かけます。
行き先は、イギリスを中心としたヨーロッパ各地。

事前にものすごく綿密なスケジュールを組み、限られた時間の中,
「どんだけ〜?」というほど商品を持って帰ってきます
(もちろん別送で、後から大きな段ボールが
山のように届くのですよ)。

毎日 寝る時間を削って梱包をし、
翌日まだ開けきらない早朝からフェアに向かう。

そんな過酷な日程のなか、社長は必ずお土産を探してきてくれます。
毎回素敵なものを見つけては
私のコレクションを増やしてくれるのですが、
今回のイギリス土産がこいつ。

フレッド

製粉会社のキャラクターで、その名をMr.フレッドといいます。
当時、小麦粉の箱についているシールを集めて送るともらえる
ノベルティでした。

フレッドと初めて出逢ったのは もう何年も前、
私が某アンティークショップで働いていた頃にさかのぼります。
第一印象は「みごとな二頭身。イギリス生まれなのに平面な顔。
目も小さい。かわいいと言えなくもないが、
真っ黒のボディがビミョーな感じ…」。
店の商品として入荷した彼を私は毎日眺めていました。
ホコリがかかれば布で払い、色々と場所を移してはホコリを払う。
特になんの感情もなく、買い手が現れるのを 
彼と私は待っていたのです。

しばらくして買い手がみつかり、
ポッカリ空いてしまった
その場所をどうしようか考えているときでした。
私の中の“欲しい心”が
後悔の念とともにじわじわと沸きあがってきたのです。
「買っておけばよかった…」。

その思いは日を重ねるにつれ どんどんと大きくなりました。
当時のオーナーにもうひとつ持ってないか聞いてみましたが、
答えは「No」。
知り合いのディーラーや
他のアンティークショップも尋ねてまわりましたが、
思いどおりのものはついにみつかりませんでした
(買った時と買えなかった時の後悔、後者の方が辛いですよね)。

月日は流れ、そのアンティークショップからKicaへと仕事場を変え、
2年程前だったでしょうか。
社長に一度だけ、この話をしたことがありました。
彼女はそれをずっと覚えていてくれたのです。

「はい、おみやげ!」
ポンと手渡された時の感動は今も忘れられません。
本当にうれしかった。
店の中でキャーキャー興奮、家に帰っても熱は冷めず、
夜中にいろんな角度で何枚も写真を撮りまくってしまいました
(冒頭はその時に撮った真上からの一枚です)。

長い長い時を超え やっとわが家にたどり着いたフレッド。
彼はいま、
ささやかな私のコレクションと一緒にひっそりと並んでいます。
にっこりとトレードマークの笑顔を浮かべながら。

社長、ありがと。

posted by eico





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小さなカフェから 愛をこめて
クルミのチョコケーキ
*写真は 本日 焼きたて「チョコマロンケーキ」


ある日 kica cafeに
とても品のいい年配の男性が 
ひとり静かに入ってこられました。

「ビールをください」。
背筋をスッと伸ばし、穏やかな口調で注文されるその方は
なぜか懐かしいような 不思議なぬくもりにあふれていました。

Kicaは そのお客様の大半が女性ゆえ
男性が一人で入るにはちょっと勇気がいるのだと
以前聞いたことがあります。

だからでしょうか。
お年を召された男性が お一人で
ここにビールを飲みに来てくださった。
そんな なんでもないことが、
なぜか とてつもなく嬉しいことに私には思えたのです。

ビールをお持ちした時、
田舎に住む自分のおじいちゃんと同じ匂いがしました。
それは香水や整髪剤などの類ではなく
うまく言えませんが、おじいちゃんと、同じでした。

その「匂い」をふわっと感じた瞬間。
胸がぎゅうっとなりました。

「氷を、グラスに2,3個入れていただけますか」。
そういって その方はちょっと申し訳なさそうに
私にグラスをさしだしました。

おせっかいかなと思いつつ、
氷を入れたグラスと一緒に、小さいポットに氷を入れて
「溶けると思いますが…」とお出ししたら、
「ありがとう」と優しく微笑んでくださいました。

氷の入ったグラスにビールを注ぎ、一口飲むごとに、
その表情はゆったりと 
より穏やかさを増していくように私には見えました。

誰かと話をするわけでもなく ただ静かにこの時を味わっているような
そんな姿を見ていたら、また、胸がぎゅうっとなりました。

お会計をされている時、離れたところから
「ありがとうございました」と言った私に、
帽子をとって挨拶をしてくださいました。

また来てくださいますように。
スラリと背の高い後ろ姿を見送りながら
なぜか とてもあたたかい気持ちになった午後でした。


Kica cafeには 毎日さまざまなお客様が来てくださいます。

奇麗な姿勢で静かに本を読んでいかれる若い女性、
「気分転換に…」と漫画を抱えた受験生、
休日になると必ずコーヒーを飲みにきてくださる紳士、
小さな赤ちゃんが寝てる間にふっと息抜きされるママ…。

思い思いの時間を 思い思いに過ごせる場所。
いつでも ふらりと立ち寄れて
一人でも心地よく過ごせる場所。

誰かにとってのKicaが
ずっとそんな場所でありつづけますように。

Posted by YOKO

                                              
追伸  
私事ですが…。手づくりの小さな焼き菓子を、
雑貨レジ前にて販売させていただいています。
今は、クッキーとマドレーヌ。
お店に来られた際に、ちらりと見ていただければ嬉しいです。
マドレーヌマドレーヌ/包装
| Posted by yoko | kica cafe | comments(4) | trackbacks(0) |




小さなカフェから 愛をこめて
クルミのチョコケーキ
*写真は 本日 焼きたて「チョコマロンケーキ」


ある日 kica cafeに
とても品のいい年配の男性が 
ひとり静かに入ってこられました。

「ビールをください」。
背筋をスッと伸ばし、穏やかな口調で注文されるその方は
なぜか懐かしいような 不思議なぬくもりにあふれていました。

Kicaは そのお客様の大半が女性ゆえ
男性が一人で入るにはちょっと勇気がいるのだと
以前聞いたことがあります。

だからでしょうか。
お年を召された男性が お一人で
ここにビールを飲みに来てくださった。
そんな なんでもないことが、
なぜか とてつもなく嬉しいことに私には思えたのです。

ビールをお持ちした時、
田舎に住む自分のおじいちゃんと同じ匂いがしました。
それは香水や整髪剤などの類ではなく
うまく言えませんが、おじいちゃんと、同じでした。

その「匂い」をふわっと感じた瞬間。
胸がぎゅうっとなりました。

「氷を、グラスに2,3個入れていただけますか」。
そういって その方はちょっと申し訳なさそうに
私にグラスをさしだしました。

おせっかいかなと思いつつ、
氷を入れたグラスと一緒に、小さいポットに氷を入れて
「溶けると思いますが…」とお出ししたら、
「ありがとう」と優しく微笑んでくださいました。

氷の入ったグラスにビールを注ぎ、一口飲むごとに、
その表情はゆったりと 
より穏やかさを増していくように私には見えました。

誰かと話をするわけでもなく ただ静かにこの時を味わっているような
そんな姿を見ていたら、また、胸がぎゅうっとなりました。

お会計をされている時、離れたところから
「ありがとうございました」と言った私に、
帽子をとって挨拶をしてくださいました。

また来てくださいますように。
スラリと背の高い後ろ姿を見送りながら
なぜか とてもあたたかい気持ちになった午後でした。


Kica cafeには 毎日さまざまなお客様が来てくださいます。

奇麗な姿勢で静かに本を読んでいかれる若い女性、
「気分転換に…」と漫画を抱えた受験生、
休日になると必ずコーヒーを飲みにきてくださる紳士、
小さな赤ちゃんが寝てる間にふっと息抜きされるママ…。

思い思いの時間を 思い思いに過ごせる場所。
いつでも ふらりと立ち寄れて
一人でも心地よく過ごせる場所。

誰かにとってのKicaが
ずっとそんな場所でありつづけますように。

Posted by YOKO

                                              
追伸  
私事ですが…。手づくりの小さな焼き菓子を、
雑貨レジ前にて販売させていただいています。
今は、クッキーとマドレーヌ。
お店に来られた際に、ちらりと見ていただければ嬉しいです。
マドレーヌマドレーヌ/包装
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キッチンで ひとりごと
クツクツと音をたてて ポークブラウンスープが できあがった。
厚めのバラ肉は、口に入れたとたんにトロトロとろけ、
コクのあるスープがゴロゴロ野菜の旨味をうまく引きたてている。
我ながらの出来映えに 自然と顔がゆるむ。

肉団子のミルクスープ
※写真は 「ミートボールとブロッコリのミルクスープ」

お次は 塩キャラメルのナッツケーキ。
先日,友人からいただいた「エス コヤマ」の
「塩ミルクコンフィチュール」からヒントを得たもの。
キャラメルとナッツが焼ける 甘く こうばしい香りに
しばし酔う…。んーッ、大成功!!

塩キャラメルケーキ



料理って 不思議です。
自分の心の状態が そのまま味に出るのです。
イライラしているときは とんがった味に、
凹んでいるときは ボンヤリした味になる。
ケーキもしかり。
アレ?膨らまない…!?と思いきや
「粉、入れ忘れてる…」。あぁ 恥ずかしい。

誰かに 聞いたことがある。
パン職人は いつも笑顔で 怖い顔の人が居ないのだと。
パンは 生き物だから、機嫌の悪い人がこねると 
生地がヘソを曲げて うまく焼けないのだと。
ありえないーっと ツッコミたくなるお話ですが、
それは きっと 心がけの問題。
料理も そう。だから
「余裕をもって 笑顔でつくろう」。
テンパッた時の 私のお守りの言葉です。

ここKicaのキッチンは ちっちゃなかわいいキッチンです。
一人でぱたぱた動くのに ちょうどよい広さ。
晴れた日は 小さな天窓から光がそそぎ、
雨の日は ガラスを打つ優しい音を聞きながら 
お料理することができます。

かつて ここに住んでいた薬屋さんが
毎日 家族のために腕をふるっていた古いキッチン。
夏は蒸し暑く 冬はつま先も凍る場所に変身しますが
私にとっては居心地のいい場所なのです。

特別な素材を使った手の込んだ料理ではないけれど
母や知人から教わったレシピ 
他で食べたおいしかったものなどを
自分流にアレンジしながら 今日も私はつくります。
みんなの 「おいしいね」が ききたくて。


そろそろ 
チョコクッキーが 焼きあがります。

Posted by eico

| Posted by eico | kica cafe | comments(0) | trackbacks(0) |




キッチンで ひとりごと
クツクツと音をたてて ポークブラウンスープが できあがった。
厚めのバラ肉は、口に入れたとたんにトロトロとろけ、
コクのあるスープがゴロゴロ野菜の旨味をうまく引きたてている。
我ながらの出来映えに 自然と顔がゆるむ。

肉団子のミルクスープ
※写真は 「ミートボールとブロッコリのミルクスープ」

お次は 塩キャラメルのナッツケーキ。
先日,友人からいただいた「エス コヤマ」の
「塩ミルクコンフィチュール」からヒントを得たもの。
キャラメルとナッツが焼ける 甘く こうばしい香りに
しばし酔う…。んーッ、大成功!!

塩キャラメルケーキ



料理って 不思議です。
自分の心の状態が そのまま味に出るのです。
イライラしているときは とんがった味に、
凹んでいるときは ボンヤリした味になる。
ケーキもしかり。
アレ?膨らまない…!?と思いきや
「粉、入れ忘れてる…」。あぁ 恥ずかしい。

誰かに 聞いたことがある。
パン職人は いつも笑顔で 怖い顔の人が居ないのだと。
パンは 生き物だから、機嫌の悪い人がこねると 
生地がヘソを曲げて うまく焼けないのだと。
ありえないーっと ツッコミたくなるお話ですが、
それは きっと 心がけの問題。
料理も そう。だから
「余裕をもって 笑顔でつくろう」。
テンパッた時の 私のお守りの言葉です。

ここKicaのキッチンは ちっちゃなかわいいキッチンです。
一人でぱたぱた動くのに ちょうどよい広さ。
晴れた日は 小さな天窓から光がそそぎ、
雨の日は ガラスを打つ優しい音を聞きながら 
お料理することができます。

かつて ここに住んでいた薬屋さんが
毎日 家族のために腕をふるっていた古いキッチン。
夏は蒸し暑く 冬はつま先も凍る場所に変身しますが
私にとっては居心地のいい場所なのです。

特別な素材を使った手の込んだ料理ではないけれど
母や知人から教わったレシピ 
他で食べたおいしかったものなどを
自分流にアレンジしながら 今日も私はつくります。
みんなの 「おいしいね」が ききたくて。


そろそろ 
チョコクッキーが 焼きあがります。

Posted by eico

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バームクーヘン の 旅 Vol.1
バームクーヘン/スライス
バームクーヘン一覧

はじめまして。Kicaスタッフ の YOKOです。

突然ですが、皆さんはバームクーヘン お好きですか?
私、ものすごく好きなんです。
「昔のお菓子」っていうイメージもあるみたいなんですが、
いえいえ、密かなブームですよ(私だけ?)
あまりにも好きなので、「バームクーヘンの会」をつくりました。
会員は……一名です。
…ワタシです。

一応 声は掛けてみるものの、
みんな みんな、「バームクーヘン?…ふーん…」。終了。

バームクーヘンの魅力。
それは、はがして食べる幸せ。
そう、だから「はがせるかどうか」、これは大きなポイントです!

みつけては買い、写真を撮り、
アルバムをつくって一人で楽しんだりしています。

誰も興味を持ってくれないので、
一人で眺めて むふふと喜んでみたり、
むりやり 人に見せたり……。

まだまだバームクーヘンの旅は続きます。
ひきつづき、会員募集中です…。
どこか、「ここがおいしい!」っていうところがあれば、
教えてください!!

バームクーヘン/アップ

Posted by Yoko
| Posted by yoko | 好きなこと☆好きなもの | comments(3) | trackbacks(0) |







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