さて今日は なんのケーキを焼きましょう?
熟れ熟れバナナとラム酒でバナナラムケーキ?
それともマロンクリームをたっぷり使ってしっとり食感のバターケーキに?
う〜ん、う〜ん。
もう少し頭の中で構想を練るか…。
写真は「薔薇のキャラメルカトルカール」。
お持ち帰り用に雑貨スペースでも販売しています(260yen)。
〜はじめての失敗〜
こんな告白、今さらな感じであるが、私は本格的なパティシエではない。
製菓学校卒ではないし、どこかの店で修行したこともない。
子供の頃、母がいろんな教室で習っては 家でつくっていたお菓子や料理を
見よう見まねでつくりはじめたのがきっかけである。
中1の頃にはパンやケーキを一人でサクサクつくっていた。
はじめての失敗はその頃にさかのぼる。
オーブンといえば電気が主流の今,当時のわが家ではガス式のものを使っていた。
パウンドケーキを焼こうとして生地を準備し、予熱をするためオーブンへ。
点火スイッチをひねり、火がついたのを確認し、その場を離れた…はずだった。
生地を型へ流しこみ、オーブンの前にくると、なんだか妙にガス臭い。
オーブンを覗くと…あ、火が消えている。
早く予熱しなければタイミングが悪くなると焦りながら、
何気なく再度火をつけるべくオーブンの扉を開け、スイッチをひねった
(当時のガスオーブンは、点火の時は扉を開けないと着火できない仕組みでした)。
「カチャッ」(スイッチ音)
…間髪入れずに
「バーンッ!!!」(爆発音)
(火がつく音って、普通「ボッ」って音がするでしょ。
この時は、はじかれるような感覚と熱風が顔面を襲ったのよ〜っ!)
あまりの衝撃に固まってしまった私は、何が起こったのか考えられず、
オーブンの扉を左手に持ち、右手はスイッチを握りしめ、
目はギュッとつぶったまま動けなかった。
駆けつけた母が「大丈夫?」と声をかけてくれ やっと目が開けられた。
バックンバックンと心臓の音を全身で感じながら周りの状況を見ると…。
どうやら家までは燃やしていない。オーブンも無事な様子。
おそるおそる振り返って母と顔を合わせる。
「すごい音したね」と母。
放心状態でオーブンの側から離れると、上からパラパラ黒い粉が…。
天井を見上げるが、とくに何の変化もない。
しかし なんだか変な匂い…。
すると母が「あ〜あ〜」と言いながら
私を鏡の前に連れて行ってくれた。
「えっ!!」
左前から左耳のあたりの髪が 爆発しているではないか。
鏡の中の私は、よくコントで見かける「煙の中から出てきた人」そのもの。
とっさに右に顔をそむけ、避けたからである。
さわるとパラパラと髪が落ち、眉毛までもがコゲていた。
母は「びっくりしたわ〜。炎の玉が見えたよ。
これぐらいですんでよかった」とコゲた髪を払ってくれた。
めちゃくちゃ叱られると思ってた私は、
急に力が抜けて「こわかったよ〜」と泣きそうになりながら言った。
本当におそろしかった。
ときおり思い出す失敗談である。
今ではコゲた髪型が恥ずかしかったと笑って話せるが、
皆様くれぐれも火の元にはご注意を!
日々、大小いろんな失敗ありつつも笑いながら、Kicaのキッチンでケーキをつくろう!
さぁ、ふわふわのバナナシフォンを焼こう。
posted by eiko